(伏在型)下肢静脈瘤の原因
下肢静脈瘤は、ふくらはぎの血管がボコボコ膨れてくることが多いのですが、このボコボコの原因は、あしの付け根から始まり太ももの内側に隠れている血管(大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃく)、あるいは膝の裏から始まりふくらはぎの真ん中に隠れている血管(小伏在静脈:しょうふくざいじょうみゃく)にあります。クモの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤の原因ではありません。クモの巣静脈瘤と網目状静脈瘤は、体質やホルモンの影響、加齢などが原因で生じます。
図1・画像左)
正常な静脈は、図のように心臓に向かって“下から上へ”と流れていきます。 静脈には、所々に上から下へ逆流しないように“逆流防止弁”が備わっています。太ももの内側を走行する静脈は筋膜の下に隠れているため、外からは分かりません。
図2・画像中央)
この逆流防止弁が壊れることにより、心臓に戻っていくはずの血液が次第に逆流し始めます。
図3・画像右)
太ももの内側にある表在静脈(大伏在静脈)の逆流防止弁がすべて壊れてしまうと、血液の逆流はふくらはぎに達し、血管がボコボコと膨らみ始めます。
下肢静脈瘤の治療の目的は、太ももの内側に隠れている血管(大伏在静脈)やふくらはぎの裏に隠れている血管(小伏在静脈)の流れを止めることであり、ボコボコだけを取り除いても解決にはなりません。
動画:静脈瘤ができるまで
手術の目的
手術では、壊れた血管を内側からレーザーで焼いて閉塞させたり、外科的に取り除いたりすることで流れをなくします。その結果、血液の逆流がなくなるためにボコボコが消え、だるい・むくむといった不快な症状が改善するわけです。