下肢静脈瘤と漢方薬

下肢静脈瘤と漢方薬

漢方と言えば、風邪を引いたときに飲む葛根湯(かっこんとう)が有名です。それ以外にも、更年期障害や冷え性、むくみや胃もたれなど、西洋医学ではなかなか治りにくい様々な症状に漢方薬は力を発揮することがあります。

それでは、下肢静脈瘤に漢方薬は効くのでしょうか??

むくみ・だるさに漢方が効く

意外と知られていませんが、下肢静脈瘤のむくむ・だるいといった不快な症状に漢方が効くことがあります。もちろん、一度壊れてしまった静脈自体が漢方薬で元に戻ることはありません。あくまでも、静脈瘤が原因で起きている、静脈うっ滞の症状(むくむ、だるい)が改善するわけです。
きちんと治すためには、レーザー治療やストリッピング治療が必要ですが、手術が怖い、忙しくて手術を受ける時間が無い、だけど足がむくんだり、だるくて仕方がないから何とかしてくれ、といった患者さんに漢方薬を飲んでいただくと、大変喜ばれることがあります。

下肢静脈瘤に効く桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん

漢方薬は、草の根や木の皮などの様々な天然物(生薬)を組み合わせてできています。桂枝茯苓丸に含まれる桂皮は、欧米で香料として使われるシナモンと同属種の樹皮です。
この薬は、主に血の巡りを良くしてむくみやうっ血を取り除くことで、頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、あしの冷えなどや、月経異常のある婦人に効くとされています。
下肢静脈瘤によるあしのだるさや、むくみは静脈のうっ血が原因ですから、桂枝茯苓丸によりうっ血が改善することで、あしの症状が和らぐのではないかと考えられています。
特に、女性に対して有効であることが示されており、下肢静脈瘤の女性患者の約7割に効果があったと報告されています。また、大変興味深いことに、写真のような細かい静脈瘤(クモの巣状静脈瘤)が薄くなったと喜んでいただけることがよくあります。
また漢方薬の面白い点は、飲み始めてみると、あしのだるさ以外にも、肩こりが良くなったり、お通じ(便通)が良くなったり、何となく体が軽くなったなど、あし以外の身体の調子が良くなることがしばしば経験されます。そのため、静脈瘤の手術が終わって静脈瘤が無くなったにもかかわらず、内服の継続を希望される患者さんも多くいらっしゃいます。
薬の値段も血圧の薬や血液さらさらの薬に比べると大変安く、これも長期にわたって内服を継続される方が多い理由です。
あしのだるさやむくみで悩んでおられる方は、一度試しに飲んでみることをお勧めします。

漢方薬服用のひと工夫

粉薬は飲めない、においが気になるなどの理由で受付けない方がいらっしゃいます。
効くかもしれないのに、飲まず嫌いはもったいない。。。

  • 苦味やにおいが気になる・・
    →オブラートに包む。包んだオブラートを軽く水につけると飲み込みやすくなります。
  • 顆粒が口に残る
    →お湯に溶かす

200-250ccくらいのお湯に顆粒を入れ、よく混ぜてとかしてから服用します。お湯の量が少ないと味が濃すぎたり、とけにくかったりするので注意しましょう。
あるいは、熱い少量のお湯で溶かしてからジュースなどを混ぜて飲むと苦味や匂いも分からなくなります。またアイスクリームなど冷たいものに混ぜると苦味を感じにくくなります。この方法で子供にも内服させることが出来ます。

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